小学生の頃、とあるテレビ番組からの情報で「なんか体にいい」と知り
香酢を飲む習慣があった。
子供心に体にいいと言われると飲みたくなって手を出す。
黒酢の黒をより濃くした黒豆の汁くらいの色味。
薄めないととてもではないが飲めないピリッとすっぱい、ちょっと薬のような味付け。
酸味が強く、子供心に「刺激的なお酒は多分こんな感じ」という感覚で飲んでいた。
良薬口に苦し。
きっとなんか体にいいことが起きていると信じて疑わず毎日コツコツコツコツと
刺激的なお酒のような香酢を飲む。
家族からは一口飲ませてと言われ、その独特の味に皆が「よく飲めるね」と言った。
私にとって香酢はなんか体にいいと思ってた為、それほど飲めない味ではなかった。
お子様の味覚という感覚を除外したとしても「原液では飲めない」ので、三倍希釈くらいにして飲む。
なんか体がよくない時、原液量を増やし濃いめの香酢を飲む。
瓶一本を飲み干し、きっと満足したのだろう。
それ以降は飲まなくなってしまった。
しかし今でもたまに香酢を飲んでいた頃の自分を思い出す。
「一体何を目指していたのだろう?」と可笑しくなる。
小学生で健康長寿ファースト。
大人になった私は健康はファーストだけれど、長生きするつもりはない。
今より少し先の健康の為に。
そして、後20年もすれば健康すらもファーストではなくなり、今をただ生きる為に食べるのかもしれない。
結果的には長生きしそうである。
そうか、結果的には全て長生きしそうなことをしている。
おかしいぞ。
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